特種人工知能研究室
通販工学®
登録第4740179号
株式会社インター・コム
〒769-2301 さぬき市長尾東1082番地13 TEL:(0879)29-7678

AIと私

 代表取締役 青木 一夫
特種情報処理技術者
中小企業診断士
技術士(経営工学部門)


1990年より
DEC「人工知能セミナー」参加

第0章通販工学から知識工学へ

平成14年、それまで小数の特定顧客を対象に基幹業務系のシステム開発と業務支援を通常業務として生業を立てておりましたがネット通販の勃興を予見し、その関連の顧客開拓と自らも楽器通販サイトを立ち上げ 経過を見守っておりました。
その中で検索エンジンに早く見つけてもらい上位にランクされることが重要なことを悟りその研究をはじめ 成果を上げ、取り扱い楽器と通販というキーワードでほとんど1位2位を占め販売量も予想外の ものとなり、その成果を広めるため「通販工学」を商標登録し通販に専念することにしました。
ところがその後「楽天」をはじめとして通販サイトが乱立し、それまである程度の技術が不可欠であった この事業形態も技術的な知識を必要とせず出店するだけで通販事業に参入が可能となり不振にあえいでいた 全国の楽器店も不良在庫を低価格で発売し始め当店の販売も一気にほとんど0に落ち込んでしまいました。 今更、本業の基幹業務系の仕事に戻ることもできず(一社のシステムを手掛けてもほぼ完成に至るまでに数年かかる- 販売会社のセールストークに惑わされてはいけない。これは筆者の実感です。)途方に暮れていました。
そんな中、私の「なんか仕事ありませんか?」の声に答えてくれたのが基幹業務系のシステムを使っていただいていたM社です。
M社は事情があって当時の事業は廃業していましたが新事業を立ち上げていました。それにコンピュータが使えないかとの話です。
私にとっては初めての業態なので成果を上げられないまま半年が過ぎました。
それまではM社の社長の言うがままにプログラムを作成するだけでいましたがふと社長の思い当たらないことをあるいは思い込みを排除する)システムを作ったらどうかと思い至りました。
それと同時に今やっていることは1980年代後半から研究し始め1990年からDECの講座で本格的に勉強し始めた人工知能開発そのものではないかと気付いたのです。
そこで今までの仕事を人工知能の言葉に置き換えると
社長=エキスパート
やっていること=推論エンジンの開発
集めたデータ=知識ベース
筆者=KI(Knowledge Engineer)
となります。 こう整理することにより人工知能開発の技術と手順をに従って開発できるようになり大変楽になりました。
この時から「人工知能を開発する」という自覚をもってプロジェクトに臨むこととなりました。
社長は「なにそれ」といった顔をしていましたが私が学習の過程と費やした費用(500万円以上)の資料を提示すると納得されたようでした。
ただし出入りの銀行屋さんやシステム関連の人たちには「社長は詐欺にあっている」といわれていたようでした。
無理もありません。今の人工知能ブームの起きる数年前のことでいたから。
社長も私が過去に国の情報化推進アドバイザーとか県の技術アドバイザーとかの仕事をしていなかったら容易には信じられなかったでしょう。
それは私でも他人がそう言ってきたら「そんなん数年でできるかバカタレ」といって追い払うでしょう。
ところでこのシステムはというかどんな予測システムであれ過去のデータによって未来を予測するものでどのような技術を用いたところで
「過去のデータを用いた予測情報処理システム」に違いないのです。
社長の奥様はお見通しで「人工知能と言っているけれどそれは情報処理システムじゃあありませんか」と言っていました。
それはその通りです。
「知能」の部分はわずかにデータをどのように組合せ、どのように重みを付けたら最適の結果(過去の)が出るかを計算し、その組み合わせと重みをもって未来を予測するものにすぎないのです。

それでもそのシステムの能力は人間のエキスパートをはるかに超えています。
エキスパートの直感はコンピュータの計算能力にはるかに及ばないのです。

しばらくたったころ私は別の方式を模索していました。
エキスパートの存在なしに動くシステムです。
それに着手してから1年半後驚くべきニュースが飛び込んできました。
「人工知能が碁で人間に勝った」というものです。
イギリスのディープマインド社の人工知能が2016年初頭に韓国の碁の第一人者リー・セドルに勝ち、その瞬間世界のマスコミ、企業、国が「人工知能」にどよめきたち第3次人工知能ブームが到来しました。
    

第1章 NN(神経回路網)型人工知能

最初にお断りしますが現在の人工知能は用途も技術も多岐に亘っておりますが私が 対象にしております用途は「人工知能予測」その技術範囲は「スーパーバイザー付きシングルクラシファイヤー」と 呼ばれるものです。 徐々に書き加えますが求める答えは1か0かの判断をするものです。 1か0かは上下、表裏、丁半といった二つの状態のどちらかを予測するものです。
それがシングル(あるいはバイナリ)クラシファイヤ(分類器)といわれるものです。
スーパーバイザー付といわれる所以は判断材料として結果のわかっている過去のデータを学習させて次を予測する手法だからです。
私の場合はベイジアンネットワーク(baysian network)という手法を採用してこの実現をしています。
従来の統計手法に近いです。(まあ大体の手法がそうではないかと思われますが)。

1.ニューロンとパーセプトロン

ニューロンとはもちろん神経細胞のことで人間では1000憶個くらいあるらしい。
それは根っこのような受容体を持ち枝のような能動体をもつ。根っこの部分で別のニューロンからの様々な信号を受け取り、ある条件を超えるとこのニューロンで加工された 信号を次のニューロン群に渡すらしいです。

神経細胞構造
詳しくは他を当たってください。
パーセプトロンは人工ニューロンでニューロンを模して多数の入力部分、集計部、判断部を通って出力部から単数の信号を出すものです。

パーセプトロン
パーセプトロンは多数の入力と一つのバイアスが入力となります。
一つ一つの入力にはその入力の重要度による重みがつけられその総和が計算されます。
その総和の値によって出力が0か1、(1か-1、0.5以上か以下かとにかくある閾値で分けられるバイナリ信号)が決まります。
その計算部を感知関数(アクチベーション・ファンクション)といいます。
実際にステップ関数、シグモイド関数、ハイパーボリック・タンジェント、ロジステック関数その他が使用されます。
多層パーセプトロン

先のパーセプトロンを多段階多層で出力する構造がこれでDEEPと言われる所以です。
入力層と出力層の中間にある層をHIDDEN LAYERと呼び何層も重ねてより正解に近い出力を得ようとします。
 
答えの出し方
用途によって答の出し方や手段は違いますが私の求める物は予測であり、手段としてはベイジアン推定という統計手法に近いものです。
端的に言えば明日の予測には直前のデータを利用し過去のデータから明日を推定するものです。
過去のデータ中に過去の解答が入っているわけですからいわゆる「教師あり機械学習」となります。
この点は汎用人工知能(AGI: Artificial General Intelligence)とは異なります。そのような分野ではスパコンとか量子コンピュータを想定しており似て非なるものであり、 私の目指す「特種人工知能(個々ではSAI: Special Artificial Intelligenceと呼びます。)」とは特定の仕事しかできないけれどもパソコンで十分といった人工知能の分野です。
パーセプトロン計算

input xにはデータ要素が入ります。解答が出やすい特徴を持ったデータです。これは他の要素と比較しますから生データではなく自身のベクトルを持たせます。
要素の数だけxがあります。これが要素同士の組み合わせである次の要素xが生まれます(ここにベイジアン推定を使います。)。ある層ができるとそのxが解答にどの程度の影響を与えているかを計算します。
これを重みwとします。wxの総和を計算して閾値と比較し出力を出します。SAIでの閾値は0.5です。場合によっては階層で出力を分けることがあります。
因みに一般の人工知能では出した答えと正しい答えを比較し後戻りして少しづつバイアスを含む重みを少しづつ変えて誤差を最小にするwを選び出すようです。
これをバックプロパゲーションといいます。
SAIの場合はバックプロパゲーションの技術は使いません。それはすでにベイズで重みwも値xも計算されているからです。
AGIの場合は前もってはwは計算されていません。それで少しづつ誤差を最小にするようにwを後から変えているのです。これを誤差逆伝播方式といいます。
バックプロパゲーション

この方式はごく小規模の実験では可能で人工知能の名に相応しいものかもしれませんがパソコンレベルでは実用的と言えません。
続く
\[ \frac{\pi}{2} = \left( \int_{0}^{\infty} \frac{\sin x}{\sqrt{x}} dx \right)^2 = \sum_{k=0}^{\infty} \frac{(2k)!}{2^{2k}(k!)^2} \frac{1}{2k+1} = \prod_{k=1}^{\infty} \frac{4k^2}{4k^2 - 1} \]